故郷よりの手紙

日記、感想、メモ、愚痴を書いています。

日本製鉄X線被曝事故の発生

6月2日、朝日新聞により、日本製鉄瀬戸内製鉄所内で作業員二名がX線による被曝を受け、病院へ搬送されたと報じられた。

第一報では事故の詳細や経緯、容態などは不明であるが、作業員が体調不良を訴えたとの記述から、急性放射線障害を発症するほどの高線量被曝事故が起きたことに衝撃を受けた方も多いだろう。

その後、他紙や報道機関から続報が入り、現在も線量評価が行われていること、規定を大幅に超える被曝をしていること、高度被曝医療を行うことのできる広島大学病院に入院中であることなど、少しずつ詳細が判明してきた。

NHKの報道によれば、作業員二名は作業翌日に体調不良を訴え病院を受診したと記載がある。被曝から発症までの時間は重症度に相関するが、30日から現在まで未だに入院中であることから、放射線の危険性について作業員が認識しておらず受診が遅れたのではないだろうか。

今後、血球数や染色体を検査し線量を確定していくと思われるが、もし万一致死量の放射線を被曝していたとなれば大変な事故である。コバルト60などのγ線源と違い、X線照射装置は電源を切れば被曝の恐れがないにもかかわらず、このような事故を起こした企業は人命や安全を著しく軽視しているか、無知で杜撰な管理体制を取っていると言わざるを得ない。